ベンジャミンはなぜ無抵抗のメイド2人を撃ち殺したのか?冷酷な行動に隠された合理性と真の目的を考察 ハンターハンター416話ミニ記事


『HUNTER×HUNTER』416話で、読者に最も衝撃を与えた場面の一つが、ベンジャミンがカミーラ王子の部屋へ突入し、無抵抗だったメイド2人を大型銃で一瞬のうちに射殺したシーンである。
軍人でもなく、武器も持たず、戦力にも見えない女性たちを、なぜ真っ先に撃ち殺したのか。


一見すると、ベンジャミンの冷酷さだけを強調した場面にも見える。しかし、この作品の世界観とベンジャミンという人物像を考えると、そこには極めて軍人らしい合理的判断が隠されていた可能性が高い。
まず、入室してすぐに射殺していないことから、両膝を床についていないことが理由ではないことがわかる。

理由① 「未知・想定外の脅威」を徹底的に排除するため
クラピカの念講習会に新たに参加しているカミーラ王子の私設兵兵隊長サラヘルは、メイドの従事者に偽装して講習会に潜入している。
実際、この王位継承戦では、
王子本人
私設兵
従者など
誰が能力者でもおかしくない。
ベンジャミンにとって「メイドだから安全」という考えは存在しなかったはずだ。
無抵抗に見える従者であっても、未知の念能力者である可能性を排除するため、先に射殺したと考えられる。

理由② カミーラの能力の発動条件を探るため
ベンジャミンはカミーラの「百万回生きた猫(ネコノナマエ)」が迎撃型能力であることは把握していた。
しかし、ムッセのシークッレットウィンドウで肝心な情報をおさえているとはいえ、
第三者を殺した場合はどうなるのか。
周囲の従者も能力に関係しているのか。
こうした細かな発動条件までは分かっていなかった。
そのため、まず従者を射殺することで、
能力が反応するのか。
カミーラがどう動くのか。
他に能力者が潜んでいないか。
を念のため確認する、「威力偵察」に近い行動だった可能性がある。
ベンジャミンらしい、極めて軍人的な発想である。

理由③ 障害を一切排除し、カミーラを確実に制圧するため
もう一つ考えられるのは、
ベンジャミンはメイドを殺したのではなく、「カミーラへ到達する障害」を排除したという考え方。
彼は拘束や説得では意味がないことを理解していた。
だからこそ、
カミーラを制圧するまでの障害を、一切残さないという判断を下したのではないかという考え方だ。
この発想は、ベンジャミンの
「目的達成のためには情を挟まない」
という価値観とも一致している。

理由④ 恐怖によって場を支配するため
メイド2人を一瞬で撃ち殺したことで、部屋の空気は完全に変わった。
「命令に従わなければ誰であろうと撃つ」
それを言葉ではなく行動で示したのである。
ベンジャミンの銃撃はカミーラがベンジャミンに発砲した直後行われている。
余命が残りわずかとなったベンジャミンにとって、悠長な時間はない。
最も効率的なのは、圧倒的な武力で相手を支配すること。
この行動はカミーラだけではなく、自軍の兵士に対しても「命令は絶対」という軍紀を示す意味があったと考えられる。

しかし、本当にメイドは「無力」だったのか?
ここでさらに興味深い疑問が生まれる。
本当に撃たれたメイド2人は、ただの非戦闘員だったのだろうか。
描写からみればその可能性が圧倒的に高い。
攻撃の雰囲気もまったくないように思える。
しかし兵隊長サラヘルのケースをみても
ベンジャミンが従者全員を「能力者候補」と見なしていた判断は、決して間違いではなかったことになる。

■冨樫先生の演出としての意味
もちろん、この場面には物語上の演出も大きく関係している。
大型銃でメイド2人を吹き飛ばすという描写は、
ベンジャミンが一切の情けを持たない人物であること。
王族だけでなく周囲の人間も容赦なく犠牲にすること。
王位継承戦がもはや誰も安全ではない段階に入ったこと。
これらを読者へ強烈に印象付ける役割を果たしている。
単なる戦術ではなく、ベンジャミンという人物を象徴する演出だったとも言える。

結論
ベンジャミンが無抵抗のメイド2人を撃ち殺した理由は、「冷酷だから」の一言では説明できない。
そこには、
未知の念能力者を排除するため。
カミーラの能力の発動条件を探るため。
カミーラへ至る障害を完全に排除するため。
恐怖によって場を支配するため。
という、軍人らしい合理的な目的が重なっていたと考えられる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました