■結論
絶状態で能力を発動した状態でベンジャミン陣営と対峙したツェリードニヒ。
今回の場面で最も重要なのは、
ツェリードニヒはすぐにベンジャミンを倒すことを目的にしているのではない
という点だ。
むしろ彼が狙っているのは、
👉 「自分の能力を一切知られないまま、一度姿を消し、ベンジャミン陣営を崩壊させること」
ではないだろうか。
まずサルコフに対してツェリードニヒは
「これから俺はここで死ぬがぶっちゃけフェイクだ」と告げる。
撃たれた状況をそのまま周囲へ伝えるよう命じる。
遺体をすぐ棺桶へ入れて隠すよう指示する。
これらはすべて、
「ツェリードニヒが本当に死んだ」という情報を船内へ流すための布石。
■ツェリードニヒは戦闘ではなく「情報」を支配しようとしている
ツェリードニヒの能力は、
敵を直接倒す能力ではない。
本質は、
未来を知ることによって、現実そのものを支配する能力
にある。
絶を維持している限り、
常に約10秒先の未来を把握できる。
さらに、
周囲の人間は予知した未来どおりに行動する一方、
ツェリードニヒだけが、その未来から自由に外れて行動できる。
つまり、
ツェリードニヒは常に答えを知った状態で戦場へ立っている。
■「撃たれること」まで作戦に組み込んでいる
普通なら、
銃で撃たれることは敗北である。
しかしツェリードニヒは違う。
彼は最初から、
自分が撃たれる未来を受け入れている。
だからこそ、
サルコフへ、
「状況をそのまま伝えろ」
と命じた。
重要なのは、
撃たれないことではない。
撃たれて死んだと思わせること。
そこに作戦の本質がある。
■なぜ遺体をすぐ棺桶へ入れろと命じたのか
この命令も非常に意味深である。
普通なら、
死亡確認が行われる。
医師が来る。
周囲の者が遺体を見る。
しかし、
ツェリードニヒはそれを許していない。
遺体を即座に棺桶へ入れ、
誰にも見せず、
隠してしまえと命じている。
これは、
「本当に死んだかどうか」
を確認させないためだと考えられる。
つまり、
死亡という事実だけを流通させ、
検証はさせない。
情報そのものを操作しようとしているのである。
■サルコフから拳銃を借りた理由
拳銃も重要な伏線である。
ツェリードニヒは、
未来視だけでは相手を倒せない。
未来を知るだけでは、
現実は変わらない。
だからこそ、
未来視によって作り出した絶対的優位を、
現実の勝利へ変換するための道具として拳銃を用意した可能性が高い。
さらに、
拳銃は念能力とは違い、
相手へ能力を悟らせない。
普通の銃撃にしか見えない。
これもツェリードニヒらしい合理性である。
■三人を相手に正面から戦うつもりはない
ここが今回最大のポイントである。
相手は、
ベンジャミン。
ヒュリコフ。
ブッチ。
三人とも実戦経験豊富な念能力者である。
正面から拳銃で三人を撃つ。
これは現実的ではない。
一人へ発砲した瞬間、
残る二人が反応する可能性が高い。
念による防御もある。
したがって、
ツェリードニヒは、
正面決戦そのものを選ばない
と考えられる。
■最も可能性が高い戦略は「姿を消すこと」
では、
ベンジャミンが撃ったあと、
ツェリードニヒは何をするのか。
その場で三人を皆殺しにするよりも、
まず姿を消す可能性の方が高いと考えられる。
理由は単純。
船内では、
「第四王子ツェリードニヒ死亡」
という情報が流れる。
その瞬間、
王位継承戦から、
ツェリードニヒという存在そのものが消える。
しかし実際には生きている。
これは、
情報戦として圧倒的なアドバンテージになる。
■死人になれば誰も警戒しなくなる
ツェリードニヒが死亡したと思われれば、
他の王子は、
彼への警戒を緩める。
ベンジャミン陣営も、
標的を変更する。
その状況で本人だけは自由に動ける。
つまり、
死人になった状態で王位継承戦へ介入できる。
これほど恐ろしい状況はない。
ツェリードニヒはベンジャミンの実質の死期が10時間に迫っていることは
把握できていないものの、10時間の間姿を消していれば必然的に勝利が確定する。
■能力を最後まで隠し続けることが最大の武器
もし三人をその場で撃ち殺そうとすれば
反撃のリスクとともに
能力の存在を強く疑われる。
しかし、
姿を消せば、
能力そのものが知られずに認識されることもない。
後に敵は、
「どうやって生き延びた?」
という疑問だけを抱え続ける。
能力が分からなければ、
対策も立てられない。
ツェリードニヒは、
能力で勝つのではなく、
能力を知られないことで勝とうとしている。
■結論
ツェリードニヒの戦略は、
単なる未来視を利用した攻撃は避け、
本当の目的は、
自分が死亡したという情報を船内へ流す。
能力を最後まで秘匿する。
ベンジャミン陣営の認識を完全に狂わせる。
死人として自由に行動できる状況を作る。
これが最大のねらいではないだろうか。
もしこの考察どおりであれば、ツェリードニヒはベンジャミン、ヒュリコフ、ブッチの三人をその場で力ずくで倒そうとしているのではない。
「勝てる状況だけを選び、負ける状況そのものを戦場から消す」
それこそが、未来視という能力を最大限に生かした、ツェリードニヒらしい最も合理的で恐ろしい戦略なのではないだろうか。
この展開が実現すれば、ツェリードニヒの能力は「未来予知」ではなく、相手の認識そのものを支配する能力として描かれることになり、その意味で、この対決はベンジャミンとの銃撃戦ではなく、「誰が現実を支配するか」という情報戦が本質といえる。
つまり、ツェリードニヒの当面の戦略は、
特殊戒厳令による武力制圧という最大の危機を、未来視能力を使って無傷で切り抜け、自らの死を演出して船内から姿を消すことにある。
その上で、自分を死亡したと思い込んでいる王子たちや軍を陰から観察し、未来視による情報優位を最大限に生かして次の一手を選ぶ。
つまり今回の能力は、「敵を倒すため」の能力というよりも、生存と情報支配を実現するための能力として発動させていると考えられる。

ツェリードニヒが撃たれる直前の言葉は「ビッグブラザー」か「ビッグバカ
」のどっちだったんだろう?

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