【ネタバレ注意 ハンターハンター407話 『交渉』徹底解説】生き残る者と選ばれる者 モレナのねらいとはHUNTER×HUNTER【ハンターハンター】徹底考察

ごましおむすび
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407話はモレナが人材を選別し、ボークセンがその選別システムを逆に分析する“知能戦開幕回”

■407話の流れは 
・ボークセンはモレナ一味に拉致された
・モレナは仲間に勧誘するためカードゲームを提案した
・このゲームは単なる運試しではない
・勧誘と同時に適性検査を行う面接
・ボークセンは開始直後からゲームの構造そのものを疑っている
という流れ

十二日目 木曜日 午後1時。
第三層ではハルケンブルグの葬列が執り行われていた。
多くの一般客が見守る中、棺は大階段を上層へと運ばれていく。
その警備任務についていたツェリードニヒ私設兵たちに異変が起きる。
「ボークセンの失踪」。
仲間は拉致の手段を想定する
薬物。
複数人による包囲。
病人を装った誘導。
顔見知りを利用した接触。
群衆の中では案外目立たない。
もし念能力者に捕まったならどうなるか。
洗脳。
尋問。
利用。
さらにはツェリードニヒ暗殺のための駒にされる可能性まで想定する。
一方でボークセンは誰かが捕まった場合、仲間やツェリードニヒへのリスクを考え
「一切の交渉連絡 救援行動はとらない」と指示しており、
ほかの仲間たちは最終的にどうするかを各自思案することになった。

■ボークセンはどこへ連れて来られたのか
場面はエイ=イ一家のアジト。
ボークセンが目を覚ますと、
目の前にはモレナ。
さらに周囲には複数の構成員。
完全な敵地。
ただし不思議な点もある。
・拘束されていない
・暴力を受けた形跡がない
・記憶が曖昧
・武器だけ没収されている
ボークセンは即座に状況を分析、
「記憶も全くない。通常の拉致では考えられない」
つまり、
何らかの念能力によって連れて来られた
と判断している。
ボークセンは恐怖より先に分析を始めている。
これが彼女の強みであり、後の心理戦にもつながる。

■ モレナの目的は最初から明確
「私たちの仲間になって欲しいの」
つまり今回の目的は勧誘。
しかしモレナは続けて興味深い表現を使う。
「例えるならあなたはドナーの適合者みたいなもの」
つまり、
誰でもいいわけではない
ということ。
ボークセンだから選ばれた。
ここに大きな意味がある。

しおむすび
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じゃあ最初からボークセン狙いだったの?

ごましおむすび
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そう考えるのが自然。モレナは条件に合う人員を慎重に選んでいる。


■ カードゲームの基本ルール
モレナは勧誘方法としてカードゲームを提示する。
ルールは以下の通り。
【親】 モレナ
7枚のカードを持つ
【子】 ボークセン
5枚のカードを持つ

子が親のカードを指定

親が内容を説明

カードは墓場へ

親が子のカードを指定

カードは墓場へ

これを繰り返す

最後に残ったカードが結論になる
つまり、
最後の1枚で運命が決まるゲーム

■ ボークセン側のカード
まずはボークセン側の5枚。
■YES〇
最後まで残った場合。
モレナの勧誘を受ける。
つまり、
エイ=イ一家に加入する
という意味。
一見単純だが、
実質的には全面降伏となる。
組織の思想
ルール
などを受け入れることになる。
ボークセンにとって最も避けたいカード。

■ NO×
最後まで残れば勧誘を拒否する。
普通に考えれば当たりカード。
しかし
・拒否したらどうなるか ・敵対したらどうなるかは不明。
つまりNOは完全な自由、安全を保証しておらず、大きなリスクを孕む。
■ JOKER
YES〇にもNO×にも変えられる。
万能札。
最後まで残ればその時点で選択可能。
便利に見える。
しかしボークセンは高く評価していない。
なぜなら、
YES〇かNO×しか選べない
時点で、
結局モレナの土俵だから。
■ RETURN
墓場へ送られたカードを回収できる。
例えば、
失ったNO×を復活
失ったXを復活
などが可能。
戦略性の高いカード。
状況をひっくり返せる可能性がある。
■ X(エックス)
最重要カード。
ボークセン最大の希望。
最後まで残ると、
YES〇でもない
NO×でもない
という状態になる。
つまり、
ゲームそのものから離脱できる。
さらにモレナは、
再勧誘もしない
と約束している。
ボークセンにとって理想の勝利条件。

■ ボークセンが見抜いた第一の罠
カードだけ見ると、
YESは1枚しかない。断るチャンスと離脱のチャンスが多く見え、
一見「子の方が優遇されている」「仲間にさせられる確率低そう」
に見えるが実際はまったくちがう。
これが第一の罠。
数字だけ見てはいけないのである。
■ 第二の罠
NOは味方ではない。
モレナが、NOを選んだ未来
を説明できるから。
その説明次第では、
YESの方がマシ
と思わせることも可能。
つまり、NOとジョーカーのカードは実質無意味
で味方のカードではないこと。
■ 第三の罠
ボークセンが最も警戒している部分。
今話では説明されていない。

■ モレナ側のカード一覧
次に親側のカード。
■ 目的カード
モレナがボークセンを誘った理由。
なぜボークセンなのか。
なぜ勧誘するのか。
なぜ拉致したのか。
その全てを説明するカード。
読者的にも最重要。
■ 能力カード
モレナ自身の能力説明。
モレナは宣言する。
「真実だけを話す」
つまり能力の詳細が開示される。
非常に重要なカード。
■ 質問A
自由質問カード。
好きな質問が可能。
何回でも質問できる。
ただし、
目的
能力
については質問不可。
それを知りたいならそれぞれ専用カードを選ぶ必要がある。
■ 質問B
追撃カード。
質問Aで行った最後の質問だけを深掘りできる。
例えば、
質問A
「モレナはツェリードニヒを敵視しているの?」

YES

質問B
「なぜ敵視しているの?」
という流れ。
一点突破型の情報収集カード。
■ YES?・NO?説明カード
ボークセン側のYES〇・NO×とは別物。
こちらは、
YES〇になった場合
NO×になった場合
何が起こるか
を説明するカード。
判断材料を提供する役割。
■ D(取引)
非常に特殊。
墓場のカードを復活できる。
ただし条件あり。
モレナの出す
「小さなリクエスト」
を達成しなければならない。
リクエスト内容を聞いて断ることも可能。
しかし断ればカードは消える。

■ ボークセンが気づいた本当の目的
ここでボークセンは核心へ到達する。
ボークセン
「このゲームは面接を兼ねている」
これが407話最大の発見。
モレナは情報を与えているようで、
実は相手を観察している。
・何を聞くか ・何を疑うか ・何を優先するか ・どのカードを選ぶか
そこから人格や知能、仲間としての適性が見える。
つまりゲーム参加者は、
自分自身を観察されている。

■ モレナが突然始めた「言語講座」の意味
ボークセンはゲーム説明の途中で確認を取る。
ボークセン
「このゲームに関してイカサマはしない、イエスかノーか」
これは非常に重要な質問だった。
なぜならボークセンは既に、
このゲームそのものの不正を疑っているから。

ボークセンは、
カードの内容
ルール
モレナの説明
すべてを分析した上で、
最終的に
『運営側がイカサマできるのではないか』
という疑念に辿り着いている。
だからこその確認だった。
しかしここでモレナは意外な反応を見せる。

■ モレナが突然語り始めた「否定疑問文」の話
モレナは即答しない。
代わりに奇妙な話を始める。
モレナ
「やっていませんか?という問いに対して、“はい、やっていません”と答える民族がいる」
これは明らかに日本人を指している。
例えば、
「宿題やってないの?」
という質問に対して、
日本人は
「はい、やっていません」
と答える場合がある。
一方で英語圏などでは、
「いいえ、やっていません」
となることが一般的。
なぜなら、
英語は自分の行動を基準に答えるから。
(確かに先日見たアメリカの海外ドラマでも
警察官が飲酒検問所で運転手の女性に
「お酒飲んでいませんよね?」と尋ねると
「いいえ、まさか。運転することがわかっていたので」と返していた。)

■ モレナが説明しているYESとNOの違い
モレナが説明しているのは、
実は言語の違いではなく、思考の違い。
英語的な考え方

自分が主体
 対して
日本語的な考え方

相手が主体
つまり、
「あなたの認識は正しいです」
という意味でYESを使う。
モレナはそれを、
「相手を主体として考える文化」
と説明している。
■ 武家社会とおもてなし文化への言及
さらにモレナは言う
武家社会の名残か、
おもてなし文化の美徳か。
この民族は相手を優先して考える。
ここが非常に興味深い。
なぜなら、
モレナ自身の思想と真逆だから。
モレナは世界を憎んでいる。
社会を憎んでいる。
しかし今語っているのは、
相手を尊重する文化。
つまり、
自分以外を優先する価値観である。
これは後のテーマに繋がる可能性がある。
■ 「相手を自分と呼ぶ地域」の意味
さらにモレナは続ける。
その民族が住むある地域では、
相手のことを「自分」と呼ぶ。
これは関西弁などで見られる表現が元ネタと思われる。
関西出身の芸人がこの表現をしているのを
テレビで見たことがある人もいるかもしれない。
例えば、
「自分、何してるん?」という言い方。
本来「自分」は一人称。
しかし相手を指す言葉にもなる。
モレナはこれを例に出している。
つまり、
主体と客体が入れ替わる文化
を説明している。

■ なぜ冨樫先生はこんな話を描いたのか
ここが最も重要。
これは単なる日本語講座ではなく、
実は407話全体のテーマそのもの。
ボークセンは、
モレナを観察している。
一方でモレナも、
ボークセンを観察している。
互いが互いを理解しようとしている。
つまり今話は、
「自分視点」
ではなく、
「相手視点」
の物語なのだ。
だからモレナは、
YES・NOの話を使って、
相手の立場で考えることの重要性
を説明しているのではないだろうか。
モレナはボークセンに、
こう伝えているようにも見える。
「言葉の意味は立場で変わる」
「善悪も立場で変わる」
「正義も立場で変わる」
そして、
「私がなぜこうなったのかを理解してほしい」と。
だからこの会話は、
ゲームルールの説明のみならず、
モレナの根底にある思想紹介の始まりともとれる。
これらの内容はかなり重要。
なぜなら冨樫先生は意味のない説明を何ページも続けることはしない。
この「否定疑問文」「主体の違い」「相手を自分と呼ぶ文化」という話は、
407話全体のテーマである「相手の立場に立てるかどうか」
に直結しているように見える。

■ 質問カードはいらない
ボークセンの内心で特に重要な場面。
ボークセン
「私にイエス・ノーの質問カードは必要ない」
彼女は、
表情
視線
声色
態度
空気
から相手の本音を読む。
つまり、
質問より観察を信じるタイプ。
この能力こそ、
モレナが興味を持った理由の一つかもしれない。

■ モレナは本当にイカサマをしないのか
ボークセンは観察を続ける。
そして結論を出す。
「この女はイカサマをしない」
理由は単純。
モレナは絶対的支配者だから。
周囲の人間は全員モレナ中心。
そんな立場なら、
小細工する必要がない。
むしろ正々堂々勝ちたい。
その自信が見える。
だからボークセンは、
ルールそのものは信用する。
しかし、
ゲームには警戒し続ける。

■ ボークセンの反撃
そしてゲーム開始直前。
ボークセンは条件を出す。
「裏返しになっている子のカードから
どれを選ぶかは私が決める」
完全な受け身を拒否する。
大きな一手。
命運の決まるカードを自分で選べなければ
常に相手のイカサマの可能性を否定できないが、
それを封じることができるためだ。
ここから本格的な心理戦が始まる。
■ 407話この場面の本質
407話はモレナによる選別と
ボークセンによる分析
である。
モレナは相手を見ている。
ボークセンもモレナを見ている。
つまり、
互いが互いを観察する場になっている。

今話意外だったのはモレナとボークセンの組み合わせ。
あえてボークセンというかなりの脇役だった人物を前面に出した。
ボークセンは
拉致された直後にもかかわらず、
恐怖に飲まれない
感情的にならない
まずルールを分析する
相手の心理を読む
という一兵士として優秀な行動を取っている。
そしてボークセンの心情「質問カードはいらない」。
ここで初めて、
ボークセンが単なる兵士ではなく、
人を見抜く才能を持った人物
だと判明した。

さらに特筆すべきは、
モレナが初めて本格的に”対話”している点。
これまでのモレナは、
世界を壊したい
人類を滅ぼしたい
サイキンオセンで仲間を増やす
という危険人物として描かれていた。
ところが今話では非常に理知的。
礼儀正しい。
説明も丁寧。
相手への敬意もある。
だからこそ逆に怖い。
狂人ではなく、
自分の思想を完全に論理化している革命家
のようにも見えてくる。

407話はカードゲームのルール説明が長いため、
一見「説明回」に見えるものの
構造的にはモレナという人物の本質紹介
ボークセンという人物の本質紹介
を同時に行っている回となっている。
つまりカードゲームを通して
二人の価値観をぶつけ合っている。

そして人を鋭く見抜く力のあるボークセンは「この女、何に対してこんなにも怒っているのだろう」と
モレナの心情を読み取っている。
ここが非常に重要で、ボークセンはモレナの言葉そのものではなく、感情の根源を見ようとしている。
読者から見ると、モレナは終始冷静で穏やかに見えるだけにこの分析は大きなインパクトがあった。
声を荒げない
威圧しない
論理的に説明する
ボークセンに敬意を払う
しかしボークセンは、その奥にある一朝一夕には出せない強烈な怒りを察知している。
そして、その怒りの対象は何か。
それはカキン王国そのものかもしれない。
モレナは王の婚外子である「二線者」。
王位継承戦の構造を見ても、カキンという国は極端な血統主義社会であり、
生まれた瞬間から、
正妻の子
側室の子
婚外子
で価値が決まる。
さらにモレナは、その制度によって人生を踏みにじられてきた側の人間。
だから彼女の怒りは単なる個人的な恨みではなく、
「この社会システムそのものがおかしい」
という怒りであって
実際、モレナの思想を整理すると、
「自分を傷つけた誰かを殺したい」
ではなく、
「こんな世界は存在する価値がない」に近い。
これは復讐者というより革命家の発想。
だから407話のモレナは、
旅団とも少し違う。
例えば幻影旅団は、
仲間を守るために殺す。
宝を奪うために壊す。
つまり破壊は手段。
一方モレナは、
世界を壊すこと自体が目的になっている。
例えば
王族
身分制度
血統主義
格差社会
カキンの国家システム等々。
モレナの怒りが特定個人への憎しみではなく、
世界そのものといった大きな対象だったことからボークセンも対象を量りかねていた。
そしてこのゲームを通してモレナの目的の根源がどこから来ているのか、
が明らかになるかもしれない。

【ミニ要約】
407話でモレナはボークセンをアジトへ連れ込み、カードゲーム形式の交渉を提案した。
ボークセン側のカードは、
・YES〇(加入) ・NO×(拒否) ・JOKER(YES〇かNO×に変化) ・RETURN(墓場のカード回収) ・X(ゲーム離脱)
の5枚。
モレナ側には、
・目的 ・能力 ・質問A ・質問B ・YES?/NO?説明 ・D(取引)
のカードが存在する。
そしてボークセンは
「このゲームは勧誘と面接を兼ねている」
ことを見抜いていた。
407話の本質はカードゲームではなく、モレナとボークセンによる高度な心理戦の開幕。

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